<金口木舌>体現する1年


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 「有言実行」と「不言実行」。どちらがより立派か。口に出したことを必ず実行することと、あれこれ言わず黙って実行すること。両方とも結果を出して評価される点で、実現は容易ではない

▼企業では不言実行が重宝されそうだが、スポーツ界では有言実行の選手が輝いて見えるし勇気をもらえる。有言実行と聞き、まず頭に思い浮かぶ選手は、県出身で昨年のリーグ本塁打王、埼玉西武ライオンズの4番山川穂高内野手だ
▼開幕8戦目にして、早くも今季4号の本塁打をマークした。山川はいろいろなインタビューで「ホームランを打つことしか考えていない」「ホームラン以外は失敗」と言い切る
▼3月29日、ソフトバンクとの開幕戦で満塁本塁打を放ち、華々しいスタートを飾った。そんな山川も中部商高時代は甲子園出場を逃し全国的には無名だった。だが決まった練習の後、さらに練習メニューを求めるなど努力家だった
▼プロ入り後も2軍に落ちたこともあったが練習を積み重ね、才能を花開かせた。2018年1月には「4番を狙いにいく」と宣言し開幕戦から4番で出場した。今年は50本塁打を達成し、本塁打王になると公言する
▼1月、本紙の取材に「人間は練習すれば、できないことはあまりない」と答えた。努力の先に必ず「実現」を見据えている。今年も有言実行を体現する活躍を見せてくれると確信する。