<金口木舌>節約の時代


社会
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 春日俊彰、北斗晶、松本明子。いずれも「節約上手」で知られる芸能人だ。テレビの情報番組で節約のコツを話したり、ケチを公言したりする

▼今年ドラマ化された漫画「節約ロック」。無駄遣いで彼女に愛想を尽かされたことをきっかけに節約生活を始める主人公の奮闘を描いた。食費、光熱費などを浮かすアイデアも盛り込まれ興味深い
▼「節約」は最近の流行ではない。平成の序盤にバブル経済がはじけて以降、節約が叫ばれ続け、雑誌などで繰り返し特集されてきた。ライフラインの遮断が発生した災害が、考える機会にもなった
▼不動産の企画開発などを行うFJネクストが2月、首都圏に住む1人暮らしの男女に行った調査によると、普段から倹約を意識している人は81・5%。実践している行動は「自炊」「クーポン・割引券の利用」「衝動買いをしない」など。「家計簿をつける」も4割いた
▼節約の意識が根付いていることをうかがわせる。2014年公開のドキュメンタリー映画「365日のシンプルライフ」は全裸から毎日一つずつ必要なものを増やしていく主人公を追った
▼主人公は生活に必要な物は100個、生活を豊かにする物は100個と結論づけた。本当に必要なものはわずかかもしれないが生活を豊かにするものも欠かせない。時にぜいたくをするためにも、日頃の無駄を省く節約は大切だ。