<金口木舌>マナーと安全


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 早めに手続きをしようと準備を始めた人も多いのではないか。10連休明けの9日から2020年東京五輪のチケット販売がネットで始まる。高倍率の争奪戦になりそうだ。抽選の申し込み順は当選に影響しないが、締め切り直前はアクセスが集中し申し込めない事態も想定される。余裕ある行動が必要だ

▼通常、五輪では携帯電話も含め撮影は禁じられていない。観客席から選手や会場を撮影したいと考える人も多いだろう。五輪は“インスタ映え”する被写体の宝庫と言えそうだ
▼だが最近、“インスタ映え”は一種の社会問題化している。風情のある路地が残る京都市東山区ではいい写真を狙い舞妓を取り囲んだり、住宅の敷地内に立ち入ったりする行為が見られるようになった
▼飾り付けたアイスクリームが人気の店ではゴミ箱に商品が大量に捨てられ問題になった。投稿が目的で撮影後、食べずに捨てたとみられている
▼絶景の高所から転落したり、災害に巻き込まれたりするなど撮影中の事故も増えている。インドで発表された論文によると、11年から17年の間に259人が自撮りの最中に命を落としたという
▼カメラを構えると、いい写真を撮ろうと夢中になり周りが見えなくなる。その欲求を抑えることがマナーや安全を守ることにつながる。選手のプレー中、シャッター音を響かせるのはもちろんNGだ。