<金口木舌>その「瞳」に要注意

 ギリシャ神話に登場する女の怪物メデューサは、その瞳を見た者を石にしてしまう。幼少の頃、蛇の頭髪を持つ彼女の絵を見ると、伝説が頭をよぎり、その目を正視できなかった

▼誰も退治できなかったメデューサを討ったのが、最高神ゼウスの血を引く英雄ペルセウス。メデューサの石化能力を避けながら迫るペルセウスが手にしていたのが盾「アイギス」だ。英語読みでは「イージス」
▼その防御力になぞらえて米海軍は艦隊防空システムを「イージス」と名付けた。軍艦を攻撃してくるミサイルをレーダーで捕捉し、その一つ一つに艦からミサイルを発射し、ピンポイントで撃ち落とす
▼海上自衛隊の護衛艦もイージス・システムを導入している。もちろん実戦の使用例はないが、CGを多用して実戦はかくや、と思わせるのが先月公開の映画「空母いぶき」だ
▼映画では架空の日本領土「初島」が第三国に占領されるが、かわぐちかいじ氏の原作では具体的に尖閣諸島と与那国島、多良間島に中国人民軍が上陸する。細かい設定に異論もあるが、ネット上ではさまざまな議論が噴出している
▼討ち取られたメデューサの首はその後、「アイギス」にはめ込まれ、引き続き石化能力を発揮し続けた。盾だったはずの「イージス」が攻撃力も併せ持った。専守防衛の日本の「イージス」。その能力を、どう使っていくのだろうか。