<金口木舌>オール・フォー・ワン

 読谷村で開催中の高校ラグビー全九州大会で読谷高が九州初勝利を挙げた。トップチームのキャンプ誘致を含め、村を挙げて取り組む「ラグビーどころ」の人材育成のたまものでもある

▼日本代表のプレーヤーにはウイングの福岡堅樹(けんき)選手など九州出身者が多い。高校時代、九州大会に出場した選手もいる。今大会の出場選手の中から将来のジャパンが出ることもあるだろう
▼大阪府吹田市の交番で襲われ深手を負った古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査もラガーマンだった。佐賀工高出身で、2015年のW杯で活躍した五郎丸歩選手の後輩に当たる。心臓に達する刺し傷で意識不明の重体になったが、呼び掛けに反応し、手を握り返すまでになった
▼日本代表の選手らがラグビーでつながる仲間を励まそうとツイッターに激励の言葉を投稿した。福岡選手らの「頑張れ」という呼び掛けが通じたに違いない。一日も早い回復を願うばかりだ
▼助け合いの精神を表す言葉に「オール・フォー・ワン」がある。ラグビーでは「みんなは一人のため」ではなく「一つの目標のため」の意だと教えられたことがある。勝利に向かって各人が役割を果たすということだ
▼ただ、こういう人情の機微に触れるニュースを聞くと「一人のために」の用い方も悪くないと思える。他者を思いやることができてこその社会だ。スポーツは多くを教えてくれる。









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