<金口木舌>親子でルールづくりを


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 パソコンの画面をなぞって文字を大きくしようとしても変わらない。キーボード入力の操作が必要と気付いて舌打ちした。家電店で見た若者の姿。無意識のうちにスマートフォンを操作する動きをしていた

▼「どこだってスマホがあれば怖くない」。新報川柳に掲載された句だ。スマホは今や生活に欠かせない。買い物もできるし音楽も聴ける。手軽に楽しい時間が過ごせるようになった
▼他方、長時間の使用で健康への影響もある。世界保健機関(WHO)は、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を疾病として認定し、依存症の一つとして「国際疾病分類」に加えた。スマホやタブレット端末の普及が背景にある
▼ゲーム障害は、ゲームをしたい衝動が抑えきれず、日常生活よりゲームを優先する。重症化すると学業、仕事に重大な支障を来すといわれている。厚労省研究班の推計では、オンラインゲーム、SNSの使い過ぎで依存が疑われる中高生は7人に1人に上った
▼親の見えないところで長時間遊んでいるという嘆きを耳にする。没頭する子どもは、孤立や寂しさを抱えていないだろうか。子どもの気持ちに目を向けたい
▼夏休みが始まった。ゲームにのめり込みやすく、注意が必要な時期だ。適切な使い方ができるよう家族でルールを決めるチャンスでもある。