<金口木舌>ナイスゲームの要件は

 以前に本欄でスポーツのビデオ判定に触れた。読者から「試合を決めるのは審判。判定技能を向上させるべきだ」との指摘があった。その通りだが、試合を決めるのは審判だけとも言えない

▼阪神の選手がサイクル安打を記録した13日のプロ野球オールスター戦。甲子園での開催で、本拠地のファンからの重圧が全パ野手陣の緩慢なプレーを誘い、達成をアシストしたとの見方がある。観客の存在は大きい
▼忘れられないゲームがある。10年前、ある球技の県高校大会決勝。審判への一つの抗議をきっかけに双方から笛に不満が相次いだ。観客も反応する。自軍に不利な判定があるとブーイングややじが続いた
▼後味の悪さが残り「競技本来の迫力とはほど遠い」と書いた。後日、当事者の監督が「よく書いた」と言ってくれた。子どもたちも見ているので「まずい」と思ったが、過熱した客席はどうすることもできなかったという
▼南部九州総体の熱戦が続く。全国大会が県内で開催されることはめったにない。応援も熱くなる。ただ、選手や監督、審判に加え、観客も一体となりナイスゲームは実現することを忘れてはならない
▼機器の精密判定に人間はかなわない。球宴でのプレーも細かく分析すれば“アウト”かもしれない。ただ、機械の目には映らない感情がプレーを左右することもある。心の機微を含めたドラマがそこにある。



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