<金口木舌>絆と郷土愛 育む綱引き

 2年ほど前、糸満市役所の駐車場で偶然目に留まった。糸満大綱引を描いた「ご当地マンホール」だ。地元では当たり前でも、市外出身者には新発見だった

▼沖縄本島南部は集落での綱引きも多く、ルールはそれぞれ違う。糸満市米須は住民らの「村引き」の後、誰もが参加できる「衆人引き」がある。糸満市小波蔵は男女に分かれて競う。八重瀬町小城は白い服で綱を引く。独自の習わしは興味深い
▼糸満市大里区の綱作りでは、東と西の女性たちがそれぞれ名物のジューシーを作る。1個約1合もある大きなおにぎりにし、綱作りに精を出す男性たちの胃袋を満たす。女性たちは自慢のジューシーを作りながら絆を深める
▼年中行事を大切に守り続ける集落の中には、高齢化や人口減少など課題を抱える地域もある。綱の長さを短くしたり、綱引きの回数を減らしたりするなど、知恵を絞りながら伝統を受け継ぐ
▼きょうは与那原大綱曳まつり。本番に向け子どもからお年寄りまで一丸となって準備を進め、郷土愛を育んでいる。440年余の伝統ある綱曳は今年、ふるさとイベント大賞で大賞に輝いた。地域の誇りだ
▼旧盆や旧暦8月15日など、綱引きはこれから本番を迎える。貴重な地域文化が世代を超えて継承されていくのは素晴らしい。若い担い手たちにとっては、多くの新発見が埋もれているに違いない。



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