<金口木舌>渋野日向子の「笑顔」

 「笑う門には福来る」といわれる。「いつもにこにこしていて笑いが満ちている人の家には自然に福運がめぐって来る」(広辞苑)という意味だ。ことわざを地で行くような活躍ぶりだった

▼女子ゴルフのメジャー大会であるAIG全英女子オープンを20歳の渋野日向子が制した。「笑顔のシンデレラ」の誕生である。緊張を強いられる場面の連続だったはずだが、笑顔を絶やさなかった
▼18番ホールで5メートルのウイニングパットを沈める際にも「決めれば優勝するのは分かっていたので、どういうガッツポーズをしようかなと考えていた」という。桁違いの強心臓だ
▼かつてはミスをして投げやりになることもあったようだ。「良い成長をした」と高校生の頃まで渋野を指導した佐藤純さんは話す。偉業は不断の努力、鍛錬のたまものであることはもちろんだが、精神面の強さが福運を呼び込んだことは疑いない
▼男女を通じて日本勢のメジャー覇者は1977年の樋口久子さんだけだった。米女子ツアーで賞金女王に輝いた岡本綾子さん、世界ランク1位になった宮里藍さんでさえ成し遂げていない
▼笑いは脳を活性化させ、ストレスの発散に役立つともいわれる。渋野の笑顔は並外れた技術と精神力の表れか、それとも、正確なショットの源だったのか。どちらにしても、人を幸せな気分にする笑顔だったことは間違いない。



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