<金口木舌>私たち抜きに考えないで

 障がい者に対する差別に向き合い「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を合言葉に歩んできた。宜野湾市にある県自立センターイルカの理事長を務めた故・新門(しんもん)登さん。筋ジストロフィーを患い長年、入院していた

▼重度障がいのある人は病院・施設で暮らすのが当たり前とされていた時代。退院し地域で暮らそうと決めたのは36歳の頃。反対を押し切り、福祉サービスを活用しながら地域での生活を実践した。新門さんを目標に地域で暮らす障がい者が増えている
▼障がいを理由に諦めない。自分の人生は自分で決める。そして責任を持つ。新門さんは10年前に他界したが、その生き方はイルカの理念に反映されている
▼重い身体障がいのある、れいわ新選組の2人の参院議員。当事者が障害者施策を決められる政治を訴える姿に、新門さんを重ねた
▼課題は、意見を伝え意思決定に参加するなど議員活動ができる環境づくり。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で、声が発せられない船後靖彦議員が分身ロボットの導入を要望している。視線入力された文章を音声で発する。遠隔操作も可能だ
▼障がい者の就労や冠婚葬祭などでも活用されている。技術の進歩は社会参加を後押しする。重度障がい者が国会で直接声を上げる意義は極めて大きい。早期に導入し、国会のバリアフリー化を加速させる必要がある。