<金口木舌> みんなでつくる商店街


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 名護十字路近くに最近、新しい店ができた。ワインや日本酒が楽しめる雰囲気のいい店だ。商店街は昼と夜で別の顔があり、多様性も魅力の一つだ

 ▼そんな商店街を誰が呼んだか「シャッター通り」。2012年度商店街実態調査で名護市は糸満市、久米島町に次いで空き店舗率が3番目に悪かった(2日付5面)。しかし生活者の実感として、この数字に違和感を覚える
 ▼名護市商工会に聞くと、市内に空き店舗は49ある。通り沿いで更地も見掛ける。といって活気がないわけではない。通り会を中心に、地域を巻き込んだ映画作りが進むなど熱気はある
 ▼全国の商店街実態調査を見ると、衰退する商店街の一番の原因は店主の高齢化による後継者不足。次いで建物の老朽化という。特効薬はないが、こんな時こそ知恵の絞りどころ
 ▼例えば那覇市の栄町商店街がある。音楽や祭り、年配の女性を起用した「おばぁラッパーズ」といった話題作りは最高のお手本になる。古い建物も「昭和レトロ」と言われれば懐かしさを感じる
 ▼単に買い物をする場でなく、住民をつなぐ交流拠点、地域情報の発信拠点、そうした役割が未来の商店街に期待される。それなら商店主だけでなく、住民参加も必要だ。「商店街はまちの顔」という。笑顔に満ちるわがまちは他人任せではつくれない。自らの手でつくりたい。