<社説>ガソリン価格高騰 生活守る手だてを急げ


社会
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 ガソリン価格の高騰が止まらない。経済産業省が発表した14日時点の県内レギュラーガソリン価格が税込み1リットル当たり187円20銭で過去最高値となった。県内離島では税込みで1リットル当たり200円を超えるガソリンスタンドもある。県民生活への影響は大きい。暮らしを守る手だてを急がなければならない。

 本紙調べによると宮古島市202円、石垣市が205円、多良間村が196円、久米島町が207円であった。原油価格や輸送コストの高騰などにより、仕入れ価格も上昇している。業界団体は本島でも200円を超える可能性があると予想している。
 ガソリン高騰は全国的な傾向である。13週連続で価格上昇が続き、14日時点のレギュラーガソリン価格は全国平均で15年ぶりに1リットル当たり181円を超えた。
 ロシアのウクライナ侵攻や円安傾向、産油国の減産などが重なり、ガソリン価格を押し上げている。価格抑制のため政府が昨年1月に始めた補助を段階的に縮小していることも価格上昇につながった。
 過去に例のないガソリン価格の高騰は県民生活に深刻なダメージを与える。公共交通機関が乏しく、自動車に大きく依存する本県の場合、ただちに家計の負担増となる。本島周辺離島や先島地域は特に深刻である。流通コストを押し上げることになれば、物価高に拍車をかけることにもなろう。県内中小企業の痛手も大きいはずだ。
 コロナ禍がようやく落ち着き、県内経済界が息を吹き返しつつある。歯止めのないガソリン高騰によって県経済界が再び失速するようなことがあってはならない。消費マインドが冷え込めば、現在は堅調に推移している観光業にも影響する恐れもある。
 心配なのが、政府の補助は9月末に終了することである。さらなる価格上昇の恐れがある。補助の延長、あるいは現行制度に代わる新たな価格抑制策が求められる。県は政府に対し、積極的に働きかける必要がある。
 全国一律の制度が難しくても、沖縄のような公共交通機関に乏しい県、島しょ地域を抱える地域に特化した価格抑制策の創設を検討してもよいのではないか。ガソリン高騰で厳しい状態に追い込まれる生活困窮世帯や中小企業を支える県独自の支援策を考えてもよい。現在のガソリン高騰で苦しむ人々を放置してはならない。
 ガソリン価格が3カ月連続で160円を超えた場合、揮発油税などの税率を時限的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除をめぐって与野党間で昨年議論となった。その際は、政府の補助制度を拡充することで解除は見送られたが、改めて議論し直す必要もあるのではないか。
 県民、国民生活や経済活動を守るため、ガソリン価格の抑制は不可欠だ。県、政府、国会は具体策を急いでほしい。