<社説>Bリーグ開幕 男子バスケ飛躍の起点に


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 バスケットボール男子の新たなプロリーグ「Bリーグ」がきょう22日、開幕戦を迎える。日本バスケが世界のトップレベルに飛躍する起点となることを期待したい。

 開幕戦はTKbjリーグで最後の王者となり、リーグ最多の4度優勝を誇る琉球ゴールデンキングスとナショナルリーグ(NBL)で最後のレギュラーシーズン1位のアルバルク東京が対戦する。
 両リーグの意地を懸けた勝負が楽しみだ。キングスの勝利はもちろん、Bリーグ創設にふさわしい歴史に刻まれる試合を望みたい。
 バスケの競技人口は国内屈指の約63万人を誇る。だが男子日本代表は長期低迷状態に陥っている。五輪からは1976年モントリオール大会を最後に遠ざかっている。
 国内トップリーグがTKbjとNBLに分裂していたことも、世界に水をあけられた一因だろう。リーグ統一を契機に、世界との距離を縮めていきたい。
 Bリーグが日本代表強化の面で果たす役割は極めて大きい。世界と戦えるバスケを目指すため、まずは国民的な幅広い人気を集めることが求められる。
 選手のレベルアップが人気を呼び、ファンの声援を励みにした選手がさらに力を付ける。そんな好循環をもたらしたサッカーのJリーグが好例だ。
 Bリーグが理念に掲げる「地域密着」の浸透が新リーグ成功の鍵を握る。TKbj勢はこの間、一定の成果を上げてきた。中でもキングスは昨季1試合平均でリーグ最多の3261人の観客を集めた。「ファンと共に戦う」姿勢のたまものである。
 一方、NBL勢の一部には対応の遅れも目立つ。NBL最後の覇者の東芝神奈川は1部参入チーム最低の1試合平均1005人の観客である。「ファンあってこそのプロ」。各チーム、選手の意識改革が必要である。
 選手年俸総額の上限はTKbj約6800万円、NBL約1億5千万円だった。Bリーグはそれを撤廃した。プロである以上、高年俸を目指すのは当然だ。その意識が技術を向上させ、ファンの期待に応えるプレーを生み、ひいては日本代表のチーム力の底上げにつながる。
 Bリーグはスター選手不在が課題との声もある。だが真剣なプレーを繰り出すことで、スター選手はおのずと生まれてこよう。