<社説>那覇市議選 公約実現へ積極提言を

 県都・那覇市の新しい議員の顔ぶれが固まった。当選した新議員には、選挙中、有権者に訴えてきた自らの公約を実現するよう全力を挙げてほしい。

 2日に告示された今回の市議選は、定数40に67人が立候補した。与党系24人、野党系15人、是々非々など中立系が28人と4割を占めたのが特徴だ。新人も31人と多く、半数近かった。
 琉球新報が立候補予定者に実施したアンケート(複数回答)では、「力を入れたい政策・課題」として「子育て・待機児童対策」を挙げたのが過半数の38人だった。次いで「子どもの貧困」29人、「高齢者福祉」21人、「教育行政」20人と、暮らしに密着した課題を掲げている。有権者のニーズを反映したものだろう。
 中でも、待機児童問題は最優先すべき喫緊の課題だ。那覇市の待機児童数は、昨年4月1日時点で全国3位の559人だった。市は2016年度に認可保育園を増設し、今年4月には200人にまで減らした。一方で一部の保育園では定員割れが発生し、保護者の需要とのミスマッチも浮き彫りになった。候補者の6割が「保育士の確保」を解決策として求めている。
 街づくりも重要課題だ。老朽化した牧志第一公設市場の建て替え問題では、「早期建て替え」33人、「基本計画再検討」15人、「市場組合の意見尊重」9人だった。中心商店街の活性化は、今後の街づくりや観光客誘致にも関わってくるため、大事な問題だ。
 他にも、那覇軍港の移設問題や慢性的な交通渋滞、貧困問題など取り組むべき課題は山積している。
 市議会には、執行機関をチェックするという重大な役割がある。与党議員も市当局の議案に追随するのではなく、絶えず市民目線で点検、精査して、より良い那覇市づくりに尽力してもらいたい。
 同時に提言力も必要だ。市当局からの議案を受ける待ちの姿勢ではなく、議員提案の議案も積極的に出し、活発な政策論議を期待したい。
 今回、投票率は51・20%と過去最低を記録した。有権者の半数が棄権したことは由々しき事態だ。なぜ、市政への関心が低いのか。議会も市当局も危機感を持って方策を考えるべきだ。新議員の責務は重い。那覇市の未来をどうつくっていくか、市民と共に考える機運を醸成してほしい。
 国政では、このところ政治家の劣化が目に付く。答弁能力欠如や暴言、説明不足、数の力による手続き無視など、資質に欠けた議員が増えると政治不信を招く。主権者である有権者を忘れ、自身の保身や政略で行動するのは政治家として失格だ。
 社会学者マックス・ウェーバーは、政治家に必要な資質として「情熱」「責任感」「判断力」を挙げている。釈迦(しゃか)に説法かもしれないが、新議員には高い見識で中身ある論戦を交わしてもらいたい。