<社説>比嘉世界jrゴルフV 新星の輝き増してほしい

 嘉数中3年の比嘉里緒菜選手が米国で開催のゴルフのIMGA世界ジュニア選手権13-14歳の部で初優勝した。県勢の優勝は2006年の宮里美香選手以来2人目だ。若き女子ゴルファーの世界制覇の快挙を県民挙げて喜びたい。

 比嘉選手は昨年、この大会に初出場している。2日目まで首位を守り続け、2位に5打差を付けていた。ところが最終日、2位の選手に追いつかれ、優勝を奪われてしまった。初出場ながら健闘したが、頂点に立つ機会を目前で逃した悔しさに、涙を流している。大会終了後、比嘉選手は人がいなくなったコースに1人歩み出て一礼し「来年はやり返します」と誓っていた。那覇空港に降り立った時も周囲に「次は優勝して帰ってくる」と宣言した。
 そして今年の大会で、比嘉選手はまさしく有言実行を果たしてくれた。1日目は9位、2日目は8位で首位に6打差を付けられていた。しかし最終日に七つのバーディーを決め、上位選手を押しのけて一気に頂点へと上り詰めた。昨年とは逆の追う立場で初優勝を手にしたのだ。「今までのゴルフ人生を代表する優勝成績です」と述べ、重圧を乗り越えた自身の成長ぶりを実感したようだ。
 比嘉選手がゴルフを始めたのは小学3年のころだ。祖父と週末にゴルフの打ちっ放しを始めている。転機は4年の4月。初出場した県のジュニア大会で予選落ちしたことだ。
 悔しさがあふれ「うまくなりたい」と負けず嫌いな性格にスイッチが入った。6年の冬から宮里藍選手の父・優さんから指導を仰いでいる。
 それまでの練習は1日3時間を週3回だけしていたという。6年からは毎日に増やし、週末は約8時間もスイングなどの練習に取り組んできた。昨年4月には全琉アマチュア選手権の女子A(22歳以下)で初優勝もした。
 こうした地道な努力の積み重ねこそ世界一の栄冠を手にする土台になったはずだ。夢に向かって羽ばたこうとする若者はぜひ見習ってほしい。
 「(宮里)藍ちゃんや(宮里)美香ちゃんみたいに世界で活躍したい」と話していた比嘉選手は今大会で、その夢へと歩み出すことができた。その陰には優さんの指導のほか、宜野湾市から名護市のゴルフレンジまで送迎を引き受けている父親、ゴルフに導いてくれた祖父ら家族の支援があった。
 比嘉選手が世界ジュニア選手権で11年ぶりに県勢優勝を果たした今年、比嘉選手が目標にしてきた先輩の宮里藍選手が引退する。比嘉選手は早くも来年の女子15-18歳の部への出場に向け照準を合わせているようだ。「上位選手と戦えるようにもっと練習していく」と意気込む。
 巨星が去る代わりに、次世代の比嘉選手が新星として出現し、今後さらに輝きを増してくれることを期待したい。