<社説>過去最高の暑さ 再生エネで地球の解熱を

 「今年の暑さはいつもと違う」との声をよく聞く。例年にない猛暑は数字でも裏付けられた。沖縄地方の8月1~23日の平均気温は平年より1・4度高く、観測史上最高を記録した。今夏、国内では集中豪雨が相次ぎ、海外では「殺人的熱波」が襲う。

 温暖化対策はもはや待ったなしだ。再生可能エネルギーへの転換を進めるとともに、私たちの暮らし自体も見直して、持続可能な地球を維持していかなければならない。
 沖縄気象台によると、23日までの平均気温は那覇で平年比1・8度高い30・5度、宮古島で1・5度高い30・0度だった。昨年見られたサンゴの白化が今年も危惧される。観光業だけでなく、漁獲減少で漁業への影響も心配だ。
 世界では、温暖化による森林火災や熱中症で死者も出ている。パキスタンでは5月に東半球史上最高となる54度を記録した。米国の研究班は「2100年には世界人口の最大4分の3が熱波による死の脅威にある」と警告した。
 各国の研究機関が相次いで深刻なデータを示している。16年の世界の平均気温は史上最高だった。北極と南極の海氷面積も過去最小になった。15年の温室効果ガスの濃度も過去最高を観測している。
 危機感を抱いた各国が合意したのが、地球温暖化防止の新枠組み「パリ協定」だ。世界の気温上昇を産業革命前から2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げる。
 しかしトランプ米政権は協定離脱を国連に正式通告した。「不都合な真実」から目を背ける誤った判断だ。米国抜きでは地球の気温が0・3度上昇するとの試算もある。
 今、世界はエネルギー政策転換の流れの中にある。温室効果ガスの排出量が多い石炭火力発電の廃絶に、多くの国が動きだしている。風力や太陽光など再生可能エネルギーは急速に普及しており、原子力からの脱却も顕著だ。
 台湾や韓国は脱原発を打ち出した。米電力会社はコストが高い原発建設を断念した。フランスや英国は40年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止し、電気自動車を拡大する方針だ。
 一方の日本はどうか。経済産業省が「エネルギー基本計画」の改定作業を始めた。だが、30年度の電源構成比率を、原発は20~22%、再生可能エネルギーは22~24%としたままで、依然、原発に頼ろうとしている。国民世論や世界の潮流に逆行する政策だ。
 政府も目を覚ますときだ。日本はパリ協定で50年に温室効果ガスを80%削減すると国際公約している。「脱炭素」社会に転換するには、民間の優れた技術力を生かして、エネルギーの技術革新に取り組むべきだ。ビジネスチャンスも生まれよう。国際競争に乗り遅れてはいけない。
 企業や家庭も人ごとではない。暑い地球を少しでも冷やすために、一人一人の意識改革も求められる。