<社説>沖縄の待機児童2位 「安心して子育て」実現を

 保育ニーズの高まりに施設整備が追い付かない。加えて保育士不足が待機児童問題に拍車を掛ける。一向に改善されない状況に終止符を打ち、待機児童ゼロを達成することは政治と行政の責任である。

 希望しても認可保育所などに入れない沖縄の待機児童は今年4月時点で、2247人と東京に次いで都道府県別で2番目に多かった。昨年より289人減少したものの、順位は変わっていない。
 県内最多は沖縄市の440人で、全国では8番目に多い。那覇市は前年比で359人減少し、減少幅が全国の市区町村で最も大きかったものの、200人の待機児童がいる。事態は依然として深刻である。
 県の計画は、本年度内に待機児童を解消して2018年4月から待機児童ゼロにすることを目標にしている。保育所定員を15年度に比べて17年度末までに1万8千人増やす方針である。定員は15年度4400人、16年度6600人増やし、17年度も約9千人の増加を見込む。
 だが、定員を増やすだけでは問題解決につながらない。保育士不足を解消しなければ、定員が増えたとしても、保育所に児童を迎えることはできない。今年4月1日時点で、保育士が188人不足しているために、児童695人が入所できなかったことが県の調査で分かっている。
 集団生活を通して社会性を身に付けるなど、保育所に通わせることには大きな意義がある。待機児童ゼロの目標達成期限まであと7カ月足らずしかないが、多くの児童、そして保護者のためにも達成を目指し、関係機関は最大限の努力を払ってもらいたい。
 待機児童問題は沖縄に限らず、各自治体だけで解決できるものではない。政府の手厚い支援が不可欠である。
 政府は待機児童ゼロの目標時期を「17年度末」としていた。だが、働く女性の増加などで保育のニーズが増えたために達成が困難になったとして、安倍晋三首相は達成時期を20年度末までと3年先送りした。
 政府の見通しの甘さが各自治体の待機児童問題に影響しているのは間違いない。
 安倍首相が5月に発表した新たな計画は、保育の受け皿22万人分の予算を2年間で確保し、遅くとも3年間で全国の待機児童を解消する。さらに21~22年度で10万人分を上積みし、5年間で計32万人分の受け皿拡充を目指す。
 国の予算の制約がある中、待機児童対策予算をどう確保するのかが、安倍政権に問われている。子育て対策が国民から高く評価されていない一方で、防衛予算は年々伸び続け、5兆円を突破している。見直すべきである。
 全ての保護者が安心して子育てし、希望する人は仕事と両立できる社会を早期に実現したい。政府の目標達成時期のこれ以上の先送りは許されない。