<社説>BPO意見書 東京MXは直ちに謝罪を

 米軍北部訓練場のヘリコプター発着場(ヘリパッド)建設に反対する市民をテロリストに例える内容を放送した東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の番組「ニュース女子」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が「重大な放送倫理違反があった」との意見書を提出した。

 裏付け取材を十分しないまま、ヘリパッド建設に反対する人々を中傷する番組を放送しており、当然の結論だ。東京MXは公共の電波を使用している放送局として、一から出直す必要がある。
 「ニュース女子」は制作会社の持ち込み番組だ。このため委員会は東京MXが放送前、放送倫理などを基にして適正に考査したかを審議対象にした。さらに番組内容も検証した。
 番組では(1)反対運動の参加者が救急車の出動を妨害している(2)取材者が襲撃の危険を感じるほど参加者が攻撃的であった(3)反対運動の参加者が日当をもらって活動している-とする内容を放送した。
 委員会は東京MXの考査担当者ら5人、番組内容の事実確認のため東村高江区の救急車の出動を管轄する地元の消防本部消防長、放送に映っていた抗議行動への参加者3人らに聞き取りをしている。
 その結果、救急車が通行を妨害された事実はなかった。また取材者が反対行動の市民から「おまえ誰や」と罵声を浴びせられたという制作会社の説明についても「あってしかるべき映像や音声の裏付けがない。(中略)放送内容には、その裏付けとなるような客観的な事実が認められない」と否定した。
 反対運動に日当が出ているとの内容についても「疑惑を裏付けるものとは言い難い。たとえスーパー(画面上の文字表示)に疑問符をつけていても、裏付けなしに提起することが不適切であることに変わりはない」と批判した。
 つまり放送内容の根幹部分がことごとく事実ではない、もしくは裏付けがないと断定された。あまりにもお粗末な番組だったというほかない。
 委員会は考査についても不十分だったと指摘している。考査担当者は制作会社による持ち込み番組であるにもかかわらず、番組の納品された完成品(完パケ)の考査をしていなかった。開いた口がふさがらない。
 考査したのはスタジオ収録部分にスーパーが付いていない制作途中のものだった。東京MXは自ら定めた「納品前の完パケの確認」を怠っていたのだ。放送責任を全うしたとは言い難い。
 調査結果を踏まえ、委員会は「放送の自主・自律を守る砦(とりで)」について、東京MXが「本放送において、砦は崩れた」と指摘した。崩した砦をどう修復するのかを注視したい。そして東京MXは沖縄の人々と視聴者に直ちに謝罪すべきだ。二度と沖縄ヘイト番組を作ることは許されない。