<社説>沖縄予算減額 辺野古反対の意趣返しだ

 政府が決定した2018年度沖縄関係予算案は前年度比140億円減の3010億円となった。総額は2年連続、沖縄一括交付金は4年連続で減額となった。総額は13年に安倍晋三首相が21年度までの3千億円台確保を表明して以降、最少額となった。

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、仲井真弘多知事(当時)が埋め立てを承認した翌14年度の3501億円より491億円の大幅減だ。
 辺野古移設反対を公約に掲げて当選した翁長雄志氏の知事就任後の15年度は前年度より161億円減額された。16年度は前年度比10億円増となったが、17年度は前年度比200億円減となり、18年度はさらに140億円減額となっている。
 こうした翁長県政後の予算額の下降傾向をみると、政府の辺野古移設方針に従わないことへの意趣返しとしか受け取れない。江崎鉄磨沖縄担当相は「知事選とこうした予算は切り離して、しっかり国も対応している。(基地問題と)リンクさせるべきではない」と関連を否定した。
 しかし菅義偉官房長官は昨年8月の会見で、辺野古工事と予算について「工事が進まなければ予算が少なくなるのは当然ではないか」と述べている。県市長会長の古謝景春南城市長も翁長県政と政府が基地問題で対立していることについて「影響があると疑わざるを得ないだろう」と述べている。政府が基地問題とリンクさせて減額しており、極めて不当であり、悪質だと言わざるを得ない。
 そもそも沖縄県が予算面で国から厚遇されているわけではない。国から県への財政移転(国庫支出金と地方交付税)は15年度決算ベースで約7456億円で、東日本大震災の復興予算が多く投入された岩手、宮城、福島の3県を除いて全国12位だ。人口1人当たりの金額は52万円で、全国1位の島根県の77%にすぎない。基地による厚遇予算を受けているとの風説は事実に反する。
 県と市町村が使途を比較的自由に決められる沖縄振興交付金(一括交付金)は前年度比171億円減で、12年度の制度創設以来、最も低い額となった。一括交付金は繰越額や不用額の多さを理由に減額されてきた。しかし16年度執行率は前年度比で3・1ポイント改善し、繰越率も2・6ポイント改善している。一括交付金の執行状況よりも国の直轄事業を優先的に積み上げており、これまでの理由では説明できない不透明な減額だ。
 一方で防衛省は辺野古移設に向けた関連経費として1048億円を計上した。沖縄関係予算の3分の1を超える額だ。沖縄の民意に背く形で辺野古移設は強行し、沖縄が求める予算は削っていく。極めていびつな構図だ。今回の減額は沖縄を自立的発展の軌道に乗せるという沖縄振興計画の目的にも逆行する。