<社説>日米合同委見直し 「異常」な体制 是正を

 日米は真の意味で対等な関係にあるのだろうか。

 1972年5月の沖縄の日本復帰を機に、在日米国大使館が日米合同委員会の代表権を軍部から大使館の公使に移すことを国務省に提起していたことが、米国公文書で明らかになった。
 しかし、米軍の抵抗に遭い、軍部主導の枠組みは温存された。日本占領期を起源とする合同委が、沖縄の基地問題の解決を阻んでいる。対等な日米関係であるために、日本政府は合同委の米国政府代表を外交官に変更するよう強く働き掛けるべきだ。
 合同委は現在、基地の管理・運用などを定めている日米地位協定の実施に関する両政府の協議機関として位置付けられる。米側委員6人のうち5人を軍人が占める。米政府代表を務める在日米軍副司令官は「米国防総省や米軍のみならず、米政府全体を代表する」立場にある。さらに合同委の場で「米側を代表する発言または行動を認められた唯一の人物」と位置付けており、現在も米軍が強大な権限を持っている。
 地位協定という条約の運用を外交官ではない軍人が政府代表の立場で取り仕切っているのはおかしい。米国大使館で返還交渉の責任者だったスナイダー氏は、この状態を「極めて異常」と指摘している。外交上も文民統制の観点からも問題である。
 72年5月にインガソル駐日米国大使が国務省に宛てた公電は「沖縄返還を機に合同委の在り方を再検討する必要がある。制服の軍人が日本政府と直接やりとりし、大使館は対応方針に異論を唱える余地がない状況になるまで素通りされている」と不満を示し、見直しを提起した。
 大使館側は合同委について「大使館が設置される以前、通常の主権国家との関係を築く以前の占領期に築かれた」と主張している。当時、大使館で沖縄返還交渉の法律顧問を務めたチャールズ・シュミッツ氏は本紙に対し「法律家として、合同委という占領の遺物に対処する時期だと考えた」と証言している。
 沖縄側が求める地位協定の抜本的改定が進まないのは、合同委で「軍の論理」が優先されるからだ。合同委の議事内容は日米の合意がない限り公表されない。密室で秘密の取り決めができる。在沖米軍基地の「自由使用」を認めた「5・15メモ」や、米軍犯罪に関して日本側が重大な事件を除き一次裁判権を放棄する密約も交わされた。
 看過できないのは、米国公文書が合同委の見直しについて「日本側から変更を求める兆候もない」と指摘している点だ。日本側から変更を求めない限り事態は変わらない。翁長雄志知事は「日米地位協定の改定や日米合同委員会の在り方を変えるべきだ」と指摘している。
 見直しは日本が主権国家であるかどうかを確認する「試金石」である。




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