<社説>相次ぐ問題発言 撤回し謝罪を求める

 沖縄県民の命を軽視し、人権感覚が著しく欠如した発言が日米で相次いでいる。

 米海兵隊のネラー総司令官が、沖縄で相次ぐ米軍ヘリコプターの不時着について「予防着陸で良かったと思っている。負傷者もなく、機体を失うこともなかった」と述べた。米国防総省のマッケンジー統合参謀本部中将も「予防着陸」であり「特に心配していない」と述べた。
 一方、米軍ヘリの窓落下事故や不時着をただす共産党の志位和夫委員長の代表質問中に、松本文明内閣府副大臣が「それで何人死んだのか」とやじを飛ばし辞任した。
 県民を恐怖に陥れた事態を軍の責任者として謝罪するどころか「良かった」と開き直り、あるいは内閣の一員として不適切なやじである。看過できない。発言の撤回と謝罪を強く求める。
 米連邦航空局のホームページは「予防着陸」とは「これ以上の飛行は勧められず、空港またはそれ以外の場所で、前もって着陸すること」と説明している。つまり危険性を薄めた印象を受ける「予防着陸」であっても緊急の着陸に変わりはなく、問題なしと片付ける事態ではないのだ。
 マッケンジー中将は、在日米軍は、日本との相互防衛のために駐留しており「その責任を果たすために、訓練の継続が必要であり、沖縄の人々の不安を高めたとしても、同盟国を支えるために訓練は続けなければならない」とも述べた。
 米軍にとって沖縄県民は守るべき「同盟国」の一員ではないのか。県民の命を危険にさらしても構わない日米同盟なら必要ない。
 軍用地の強制接収に抵抗する島ぐるみ闘争が最高潮に達したころ、軍事植民地のような米国統治に対し、人民党書記長(当時)の瀬長亀次郎さんが県民大会でこう訴えた。
 「一リットルの水も、一粒の砂も、一坪の土地もアメリカのものではない。空気はわれわれがただで吸わせている」。火を噴くような62年前の演説は、現在の米軍にも当てはまる。
 問題は米軍だけではない。松本氏のやじは、志位氏が「危険な基地が沖縄にある限り、危険は変わらない」と強調し、普天間飛行場の無条件撤去などを求めたところで発せられた。聞きようによっては、一連の米軍事故で死人は出ていないじゃないか、とも受け取れる。辞任して済む話ではない。松本氏は発言の真意を説明する責任がある。
 防衛省によると、在日米軍の航空機やヘリによる事故・トラブルは2016年の11件から17年は2・27倍の25件に増加した。一歩間違ったら大惨事になる可能性があった。
 安倍晋三首相は今国会で「沖縄の方々に寄り添う」と答弁しているが、政権内で共有していないのか。松本氏はかつて沖縄・北方担当副大臣を務めている。安倍首相の任命責任は重大である。