<社説>中城村少人数学級 「学力」を培うモデルに

 中城村が2018年度から村立中城、津覇の2小学校で1~3年生を対象に1学級15人の少人数学級導入を計画している。学力向上や少子化に伴う空き教室の活用が目的である。

 少人数学級は多くの研究で効果が認められている。村と村教育委員会の英断を支持する。導入に当たっては学力テストなど目に見える形での成果を示すだけでなく、子どもたちの積極性や考える力といった本来の意味での「学ぶ力」を培うモデルとして全国に発信してほしい。
 計画が実現すれば、18年度は中城小で4学級、津覇小で3学級が増え、教員も7人が必要となる。増員分の教員は村が独自に雇用する。必要な予算は約5千万円で、17年度の一般会計当初予算額約70億円、このうち教育費が約8億円の村にとって決して小さな額ではない。「攻めの教育を全面に」(浜田京介村長)という決意の表れだ。
 20年度から始まる大学入学共通テストを前に、小中高校とも今後は学びの質、授業の在り方などが大きく変わる。
 顕著なのは、これまでのように教師が子どもたちに知識を伝えるのではなく、子ども自身が主体的に対話しながら学ぶことだ。与えられた問題を解くだけでなく、情報を集めて現状を調べ、そこに課題があれば、解決策を導く。アクティブラーニングという手法が重要となる。
 少人数学級であれば、児童一人一人に教師の目配りができ、児童同士の話し合いもより深まる。人数の多さから発言が時間的に制約されるなどの弊害も少なくなるだろう。
 こうした少人数学級のメリットは多くの研究で示されている。効果を数値的に示したことで有名な米国の研究「グラス・スミス曲線」では1学級の人数が40人の場合「学業成績の達成度」「情緒の安定度」「教員の満足度」がいずれも50%前後となっている。これに対し学級の人数が少ないほど各項目の数値は上昇し、10~15人の学級ではどの数値も70%台に達する。
 少人数学級に対する研究で先行する欧米では、一部で「効果は薄い」という指摘もあるが、そうした研究でも小学校低学年での有効性は認められている。
 中城村の導入が成果を挙げれば、県内の自治体に波及することも期待される。今後課題になるのは質の高い教育をいかに提供できるかだ。
 識者らが指摘するように単に人数さえ少なければよいのではなく、子どもたちの意欲を引き出す教員の力量も同時に求められる。
 授業以外に部活動や校務で多忙な教員には、教材や授業の研究をする時間が必要だ。中城村は少人数学級という器を用意した。次は教員の働く環境を整える教育委員会、実際に現場に立つ教員の腕の見せどころだ。沖縄、全国に誇れる「中城モデル」をぜひ確立してほしい。