<社説>県民投票約8割「行く」  全市町村で実施すべきだ

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票について、77・98%が投票に「行く」と回答した。琉球新報社と沖縄テレビ放送、JX通信社による電話世論調査の結果だ。大多数の有権者が県民投票への参加希望を表明している。

 さらに全ての市町村が県民投票を「実施するべきだ」と答えた人は70・96%で「実施する必要がない」と答えた19・04%を大幅に上回った。大多数の有権者が全市町村での実施を望んでいる。こうした民意を重く受け止めたい。
 しかし宮古島、宜野湾の両市長が実施しない方針を示し、沖縄、うるま、糸満、石垣の市長は実施方針を示していない。つまり6市では投票実施の見通しが立っていないのだ。6市には全県の35%に当たる約41万人の有権者がいる。世論調査でも示された民意が市長の判断で踏みにじられていいのだろうか。
 県民投票を実施しない意向を示している宜野湾、実施しない可能性を示唆する糸満、方針を明らかにしていない沖縄、うるまの4市を含む本島中南部地域の調査結果を見ると、70・74%が全市町村で実施すべきだと答えている。
 実施を明言していない石垣市を含む八重山地域は59・46%だったが、実施しない意向を表明している宮古島市を含む宮古地域は80・00%と地域別では最も高い。
 宮古地域の割合が高いことを問われた下地敏彦宮古島市長は「母数が小さいので全県的なきちんとした意見として解釈できるかは疑問だ」と述べ、調査結果自体を疑った。新基地建設反対県民投票連絡会が実施した世論調査でも、宮古島市は県民投票に賛成との回答は63%に上る。多数が県民投票を支持していることは疑いようがない。
 県民投票を実施しない方針を示したり、実施しない可能性を示唆したり、方針を明らかにしなかったりしている6市長は、辺野古移設について推進の立場か、態度を明らかにしていないかのどちらかだ。辺野古移設反対を表明している市長は1人もいない。
 下地宮古島市長は2016年の琉球新報のアンケートで辺野古移設は「進めるべきだ」と答えている。中山義隆石垣市長も同じだ。桑江朝千夫沖縄市長と島袋俊夫うるま市長は態度を示していない。
 このアンケートの後に市長に就任した松川正則宜野湾市長は「一日も早い普天間飛行場の返還を引き続き求める」との立場を示すが、普天間飛行場の移設先は明言していない。上原昭糸満市長も立場を明らかにしていない。
 世論調査では県民投票に「行く」と答えた人のうち、埋め立て反対の人は77・68%を占めた。この結果は6市長の政治姿勢とは異なるのかもしれない。それが理由で県民投票に非協力的なのか、とは決して思いたくない。そうであれば、全市町村実施に向けて足並みをそろえてほしい。



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