<南風>どうして紙にしたのか


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 「どうして紙にしたんですか?」と質問される機会が多い。あらかじめ決められた回答を用意しておけば楽なんだろうが、その質問に答えるのに毎回時間がかかってしまう。理由がたくさんありすぎて、どれが最適な答えなのかに迷ってしまうからだ。

 創刊のきっかけは、コンビニに並んだローカル版の釣りや野球の情報誌を見て、釣りや野球があるのにバスケットボールが無いのはおかしいと思い、ローカル版のバスケットボールの情報誌を作ろうと思った。サッカーや野球と比較して、バスケットボールジャーナリズムが確立されていないとも感じていた。だったらバスケットボールに特化した出版社を作れないのだろうかと調べていくなかで、1990年代後半からのソーシャルメディアの台頭によりデジタルシフトの波にのまれ出版業界は20年間右肩下がりが続いていることが分かった。

 「出版不況」「斜陽産業」「紙は売れない」などネガティブな発言もたくさん耳にした。特に紙メディアに深く関わってきた人ほど、「紙」に対してネガティブなイメージを強く持っている傾向がある。確かにSNSを含めたソーシャルメディアの発展は著しく、情報伝達のスピード、量、発信にかかるコストなど、紙メディアよりも優れている面が多い。WEBメディアを立ち上げるほうがよっぽど今の時代には合っているのかもしれない。

 2020年は「5G元年」と言われている。この先、紙媒体はどうなるのだろうか。衰退か成長か。私は後者と見ている。

 話を元に戻そう。もっともらしく一丁前に理論武装したくなるのだが、結局はただの機械音痴に他ならない。正直に言うとWEBは嫌いだ。紙が好きだ。文字数の限界が近づいてきた。でも話し足りない。続きはWEBで。
(金谷康平、沖縄バスケットボール情報誌アウトナンバー編集長)