南風の担当も今回が最終回となりました。
沖縄で生まれ、生後3カ月で神奈川県に移り住み67年。一昨年、故郷の親戚の金城長栄さん(現在101歳)から「65年前、那覇の港で手足をバタバタさせていた乳飲み子の進のことをよくおぼえているよ」と聞いて感慨深い思いでした。
そして故郷の東風平の人が私の南風コラムを喜んで読んでくれているみたいでうれしいです。
最終回では「なんくるないさ~」の言葉の意味について書きたいと思います。
この言葉は、本土でも多くの人に知れ渡っていて南国沖縄ののんびりした県民性を表わす言葉と思われています。何事にも深刻にならず「まー、なんとかなるよ」と楽観的にとらえる意味だと。実は私も数年前までその一人でした。
本当は「まことぅー(誠)そーけー、なんくるないさー」なんですよね。その後ろの部分だけが独り歩きしてしまい、本当の意味が置いとけぼりになったようです。「苦しくてもくじけず真面目に頑張れば、そのうち何とかなるよ」という意味なんですけどね。コロナ禍にある今の沖縄にピッタリの言葉じゃないですか。ところで、今年封切された「なんくるないさぁ劇場版」の映画はご存じですか。喜劇の女王の仲田幸子さんが主演する作品です。私の親しいミュージシャンの東風平高根も準主役で出演していることから昨年末に試写会に行ったのですが、笑いまくりました。
今、私が沖縄の人に伝えたいのは人間どんな状況に陥っても元気を失わないこと。空(から)元気で笑えばいいんです。不思議ですが、空元気でも笑うと体が元気になります。これはどん底をたっぷり味わった私の経験から皆さんに送るメッセージです。
正しい「なんくるないさ~」で万歳。空元気で笑って万歳。沖縄の復活に万歳。
(新垣進、関東沖縄経営者協会会長)
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