<南風>農地でも発電する時代

 今年3月、沖縄県は第2次地球温暖化対策実行計画を策定した。2030年までの10年間に行う温暖化対策の目標と、内容をまとめたものだ。13年度比で温室効果ガスを26%削減、さらに50年度には実質ゼロにすることになっている。

 漠然と省エネを呼び掛けても、実現は不可能だ。確実に削減するには、どの分野でどれくらいの化石燃料が使われ、それをどんな施策でどれくらい減らし、再生可能エネルギーをどれだけ増やすという、数値を明確に積み上げる必要がある。県の計画は、県民生活に広く関係してくる内容なので、ぜひ多くの方に関心を持ってほしいと思う。

 先に紹介した長野県のエネルギー戦略も、この課題分析がきちんと行われ、具体的で実現可能な政策に結び付けられている。例えば、ソーラーポテンシャルマップ。空中写真を用いて県内の建物の屋根の面積を計算し、太陽光や太陽熱利用の可能性を数値化・可視化している。そこに県や市町村の補助金や支援制度を一覧表示し、設備の設置を促す。市民が簡単に調べて情報にアクセスできることは、対策を進める上でのハードルを下げる第一歩だと思う。

 さらに太陽光発電を普及させる場合、山林を切り開くメガソーラーは、自然破壊の側面が強く、推奨されない。そもそも森そのものがCO2の吸収源なのだ。実は、農地も太陽光発電に活用できる。

 と言っても、地面をパネルで覆い尽くすのではない。高い支柱に、幅の狭いパネルを隙間を開けて並べ、地面では農作物の栽培を続ける。パネルの隙間から光が地面に届き、営農と発電を同時に行うソーラーシェアリングと呼ばれる方式だ。夏場の強い光を適度に抑え、風が抜けて台風でも飛ばされにくい形のパネルが作られれば、沖縄でも可能性がありそうだが、どうだろうか。
(鹿谷麻夕、ゼロエミッションラボ沖縄共同代表)



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