<南風>従業員エンゲージメント


社会
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福島知加

人材が会社に定着し、業績もアップし、社員にとってはやりがいを感じてもらえる方法があるとしたら、それはどんな方法だと思いますか。「そんな方法あるはずない!」との声が聞こえてきそうだが実はある。その鍵を握るのが「従業員エンゲージメント」だ。

 従業員エンゲージメントとは会社に対する愛着度を表す言葉で、それが向上すると「会社に貢献したい」という意欲が高まる。米国Gallup社の調査によると、従業員エンゲージメントが高い企業は低い企業に比べて離職率が65%低く業績は37%高く、創造力は3倍高いという結果が公表され、会社への定着率だけでなく業績向上にもつながるため注目されている。

 日本においても従業員エンゲージメントを調査する企業がここ5年で増え続け、経済産業省が2020年9月に公表した人材を資本として考える「人的資本経営」を実現する要素としても従業員エンゲージメントを向上する取り組みが必要であると明記したのだ。

 では、どうやって従業員エンゲージメントを向上していくのか、という方法論の前に企業としてどうなっているのが理想なのかを描き、その中に「社員にやりがいを感じてもらいたい」「会社やチームに貢献したいと思ってもらいたい」「定着率や業績を向上させたい」という点が入っていたら、下記の八つの指標を参考にしてほしい。

 従業員エンゲージメントは(1)組織文化(経営理念、使命)(2)社会的認知(企業価値、コーポレートブランド)(3)仕事(やりがい、挑戦、権限、役割)(4)成長(人材育成、キャリアパス)(5)人間関係(職場での関係性)(6)働く環境(労働時間、休日、勤務地)(7)評価(評価、表彰、称賛、フィードバック)(8)報酬(給与、賞与、福利厚生)の指標からなる。皆さんの働いている会社はいかがですか。

(福島知加、ワダチラボ代表取締役)