<南風>経営理念の実現


社会
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福島知加

 弊社の経営理念は「誰もが可能性を信じられる社会づくり」である。理念には性別、年齢、制約の有無にかかわらず平等にチャンスが与えられ、チャレンジしたら応援される社会であってほしいとの願いがある。

 これからの時代は多様な価値観を尊重し合いながら挑戦もより応援される時代になる一方で、誰一人取り残すことなくそれが実現できるのかと考えた時に弊社が少しでもそこに貢献できないかと考えた。それを強く決心したのがコロナ禍で公共の就職支援に携わった際に毎日10人以上の解雇・雇用止めされた求職者を目の当たりにした経験だ。

 初めての転職活動の方も多く、彼らの履歴書の約8割がスキル、強み、実績を空白にし添削に来ていた。できる限りのサポートをさせていただいたが、終身雇用が崩壊した今、会社と社員はお互い自律し合う関係性が大事だと再認識し、そこに貢献できる事業をつくる覚悟を決めた。

 そこで弊社が3年前から取り組んでいることが人事制度×人材育成である。具体的には社員一人一人が会社から求められる役割、能力、姿勢を言語化し評価制度・成長機会の提供により評価され、フィードバックや給与に反映される仕組み化と人材の強みを生かす組織づくりを行っている。

 イメージしているのは、会社にいる全ての人材が他社からも欲しがられる人材育成をすることだ。定着率を上げたい中でこんなことを書いたら怒られそうだが、本当に定着してもらいたい人材は、きっと他社も欲しがる人材ではないか。実はこの仕組み化が社員の成長実感につながり定着率や業績が向上すると多くの調査で実証されている。弊社のクライアント企業でも定着率が2、3倍と効果が出ている。時間と労力がかかる対話と仕組み化だが会社のありたい姿を実現できるよう精進していきたい。

(福島知加、ワダチラボ代表取締役)