コラム「南風」 地域貢献する建設産業

 一昔前まで3K(きつい・汚い・危険)などとも言われ、ややマイナスのイメージを張り付けられていた感もある建設業ですが、お近くの建設現場などで最近そのイメージが随分変わってきたと感じられる方も多いかと思います。

 私は建設コンサルタントという職業柄、県内各地の建設現場に出向く機会が多いのですが、資材などが整理整頓され、プランターの花を並べている工事現場や、マンガやイラストを用いた分かりやすい工事看板をよく目にします。中には現場の仮設トイレに、観葉植物が置かれていた例もありました。現場周辺の地域住民との関わりの点では、小中学生を工事現場に招いて建設技術の説明をしたり、地元の高校生に工事用看板を描いてもらったりといった活動も見られます。
 東日本大震災の発生時にいち早く道路復旧のために徹夜での重機作業を行ったのは近くの建設会社でした。雪国での除雪作業で頼りになるのも地元の建設業者です。最近では災害協定を自治体と結んでいたり、地域での奉仕活動を入札の際に有利に評価する総合評価方式による入札も数多くなってきました。総合評価方式とは、価格のみによる落札ではなく、企業の技術力や実績、技術者の施工経験や工事成績、地域貢献などを総合的に評価して落札者を決定する仕組みで、公共工事の品質確保の観点から取り入れられています。
 このように徐々に改善され、明るい方向に向かいつつある建設産業ですが、厳しい時代が長く続いたこともあり、沖縄でも特に若い技術者の人材不足は深刻な問題となっています。
 地域に貢献する建設会社を周辺の方々が支えていく好循環を生み出し、その成果として多くの若者に魅力を感じてもらえる建設産業。そのような循環が定着していくことを期待したいですね。
(鈴木浩一、技術士)