コラム「南風」 若者世代とICT


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 デイゴの咲く季節を迎え、多くの新社会人が希望と不安を胸に新たな生活をスタートさせた4月。今回は沖成コンサルタントに昨年春入社したM君の感想を参考に、若者世代が興味を抱くICT(情報通信技術)の効果について執筆したいと思います。

弊社で進めている3D―CADも新たなICTの一つとして位置付けられており、専門学校を卒業した彼は入社以来、主に3Dモデル作成や動画制作といった業務に意欲的に取り組んでいます。
 弊社を就職先に選んだ理由を尋ねてみると、「会社のホームページ(HP)で見た3Dモデルに非常に興味を持ったから」との答えが返ってきました。これまでの建設コンサルでの新入社員教育では、現場を知る→図面を理解する→CAD図面を描く、といった流れでした。しかし、立体画像でイメージが明確になる3Dモデルでは、3D図面を描いてみる→2D図面の理解力が格段に上がる→現場の施工イメージが分かる、といった逆の流れで技術力が早期にアップしていくという効果があります。小学生時代からパソコン操作に慣れている今の若者世代には、モチベーションを非常に高く持ってもらえる技術であるとも感じています。
 加えて、弊社では常に技術情報などを更新しているHPにも多くの効果が出てきました。今の就職希望者は会社のHPからの情報を重視することや、HPからの受注も増えてきた事例などです。
 目まぐるしく変化する社会情勢の中、多くの情報を収集発信し、的確に判断することが企業には求められていますが、一方でICTの進歩はコミュニケーション力が育たないなどの弊害も生み出してきました。
 新社会人の皆さんには、ICTの有効活用と、周りとの調和を大切にしながら、今後ますます活躍されることを期待しております。
(鈴木浩一、技術士)