北中城村で建設が進められていた県内最大規模を誇るイオンモール沖縄ライカム開業の日を迎えました。本紙でも連載されていたように、新たな街の誕生とも言える巨大なショッピングモールの出現には、地元雇用や海外からの観光も含めた大きな経済効果が見込まれる一方で、既存の商業施設などでは脅威として不安視もされているようです。
今から15年前に、当時西日本最大と言われたイオンモール高知がオープンし、地域のコミュニティ住民組織で生活基盤分科会長をしていた私は、交通や排水関係についてイオンモールや行政関係者との話し合いを重ねました。開業後は懸念していた道路渋滞もなく、今も大きな経済波及効果を生み出し、四国を代表する商業施設となっています。
北中城村の米軍アワセゴルフ場返還に伴い進められているアワセ土地区画整理事業は、地権者による組合施行として、今回のイオンモールの複合商業地区を始め、中部徳洲会病院の医療福祉地区、防災や健康づくりの拠点となる多目的アリーナや中高層・低層住宅地区など48ヘクタールを整備中で、3KB48(観光・健康・環境の3Kと防災のBの拠点となる48ヘクタール)とも表現されています。
これまで首里城を中心とした南部と、美ら海水族館を中心とした北部の観光に挟まれ、素通りが多かった中部地区に、新世代のリゾートモールという新たな観光拠点が生まれたことは、1千万人観光を目指す沖縄にとっての追い風でもあり、周辺市町村との連携による相乗効果にも大きな可能性があります。
土地区画整理事業では、私も3Dモデル作成やプロモーション動画制作などで携わってきました。その中で感じた環境への配慮と素晴らしい眺望。那覇新都心や北谷美浜に続く基地返還による大きな効果を、心から期待しています。
(鈴木浩一、技術士)