コラム「南風」 建設業 心温まる物語


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 NPOグリーンアースでは今年「建設業で本当にあった心温まる物語(沖縄編)」の初版を発刊しました。この冊子は建設業の後継者不足が顕著になる中、次世代を担う若者世代に「夢が持てる職業」であることを広くPRすることを目的として、昨年セミナーを受講された建設技術者の皆さんに、建設現場で実際にあった心温まる体験談を執筆していただいたものです。全123話の中から抜粋・要約して紹介します。

 「工期が近づき現場が忙しくなって、子供たちと過ごす時間が取れず寂しい思いをさせていた。竣工(しゅんこう)検査を終えて家族とのドライブ中に工事現場を見せると、子供たちがすごく嬉(うれ)しそうな顔をしてくれて、今までの苦労が報われたと感じた」「下水道工事中に大雨が降り、びしょぬれになりながら作業をしていたところ、近くのおばあちゃんがぬれながら、温かいコーヒーとタオルを持って来てくれた。今でもそのコーヒーの温かさが思い出される」「離島の集落道路工事をしていたところ、近くの住民から毎日のように差し入れをいただき、工事完了後にはお年寄りから『きれいな道を造ってくれてありがとう。また遊びに来てよ』と感謝された。あれから10年余り経過し、一度島に遊びに行こうと思う」
 建設業では、さまざまな現場が仕事場となるため、周辺住民の理解と協力がとても大切になり、その中で多くの出会いがあります。それだけに責任感とやりがいを持って取り組み、工事完了後には住民からの感謝や家族への誇りが生まれる機会に恵まれるはずです。
 この冊子については学生や生徒などに配布するために在庫を確保しており、現在第2版の制作に向けて準備を進めています。ご協力をよろしくお願い致します。お問い合わせはNPO事務局(電話)098(835)5440まで。
(鈴木浩一、技術士)