「日本最後の清流」。昭和58年にTVでそのように紹介されたことをきっかけに、故郷の四万十川は有名になりました。大規模なダムはなく里山の原風景が残されていることなどから、今でも多くの人々に癒やしを与えており、その自然環境や生態系を守るために制定された四万十川条例に基づいて、河川整備では巨石積などの近自然工法が数多く採用されています。
一方、「美ら島・美ら海」沖縄においても、サンゴの移植や、農地からの赤土流出防止のための、グリーンベルト植栽などの活動が推進されつつあり、世界に誇る美しい財産を守る活動の輪が広がっているように感じています。経済発展に不可欠な開発行為と環境保全活動がうまくマッチしてこそ、持続可能な社会が維持されるものと考えます。
生活環境の面では、ごみ問題の多い沖縄、資源のない沖縄とも言われますが、私の研究テーマであった「水熱固化技術」では、琉球石灰岩切屑や廃ガラス、赤土、廃棄物焼却灰などを原料として、低エネルギー下で断熱効果や調湿効果を有する固化体を製造できることが確認されました。今後も沖縄の多くの廃棄素材が、環境に優しい製品として有効活用されることを期待したいと思います。
さて、NPOグリーンアースのホームページでは、この度「沖縄情報・美ら島美ら海御案内」というページを開設しました。これはダイビングを趣味としている知人が、沖縄本島や離島各地で撮影した貴重な写真を数多く紹介していこうという取り組みです。特にサンゴやウミガメなどの希少な生態系を取り上げながら、常に新しい写真を追加していきたいと考えています。
沖縄の環境保全や観光振興に少しでも貢献できるよう進めていきます。皆さんのアクセスを期待しています。(http://npo-ge.org)
(鈴木浩一、技術士)