石川県能登地方を震源とし同県志賀町で震度7を観測した能登半島地震は3日、県などの集計により死者が65人となった。生存率が大幅に下がるとされる発生72時間が4日午後に迫り、厳しい寒さや断続的な地震の中で各自治体が住民の安否確認を進めた。珠洲市や輪島市などでは建物の倒壊も多く救助が遅れ、被害の全容は見えていない。
地震での建物倒壊などによる直接死は2016年の熊本地震(計50人)を超え、阪神大震災以降3番目に多い。林官房長官は記者会見で交通の寸断や通信障害により状況把握が難しかったと指摘。「被害の把握や支援に努める」と述べた。被災地は雨となり、気象庁は土砂災害に警戒を呼びかけた。
県によると、道路の陥没やのり面崩落などにより、七尾市、穴水町、能登町で計約60人が孤立。珠洲市や輪島市は調査中。各地で生き埋めが発生したとの情報があるが、行方不明者数は分かっていない。沿岸部では津波被害もあったとみられる。3日午前の集計で、県内の避難者は約3万3千人。政府によると、200軒以上の建物倒壊があった。