【テヘラン、エルサレム共同】イラン革命防衛隊は1日、イランがイスラエルに弾道ミサイルを発射したと発表した。レバノンで親イラン民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師らが殺害されたことへの報復攻撃。イスラエルメディアによると、イランはミサイルを200発以上発射した。
イランのイスラエル直接攻撃は4月以来2回目。昨年10月に始まったパレスチナ自治区ガザでの戦火は、イスラエル軍のレバノン地上侵攻に拡大したばかりで、緊迫する中東情勢は新たな局面を迎えた。
ロイター通信によると、イラン高官は攻撃がイランの最高指導者ハメネイ師の指示だったと明らかにした。エルサレム上空では断続的な爆発音が確認。イスラエルメディアは、中部テルアビブで2人が軽傷を負ったと伝えた。革命防衛隊は声明で「イスラエルが反撃したらより激しく攻撃するだろう」とけん制した。
ヒズボラはガザのイスラム組織ハマスと共闘し、イスラエル軍と交戦している。軍は27日、空爆でナスララ師らを殺害。軍は10月1日、ヒズボラ掃討のためレバノン南部に地上侵攻したと発表した。
イランは4月、シリアの首都ダマスカスの大使館が空爆された報復として、弾道ミサイルや無人機でイスラエルを初めて直接攻撃。イスラエルもイランの空軍基地に反撃した。双方の攻撃で死者は出なかった。7月末にはイランの首都テヘランでハマスの最高指導者だったハニヤ氏が暗殺された。