第2次石破内閣は11日夜、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て発足した。発足に先立ち、衆院選を受けた第215特別国会が召集され、石破茂首相(67)=自民党総裁=が衆院本会議での首相指名選挙の決選投票で立憲民主党の野田佳彦代表(67)を破り、第103代首相に選出された。衆院での首相指名選挙の決選投票は1994年以来、30年ぶり。衆院選大敗に伴う少数与党内閣で、国民民主党が主張する「年収の壁」見直しの成否が、当面の政権運営の焦点となる。
首相は会見で、年収が103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」見直しについて「与党として真摯に検討する」と述べた。年内の2024年度補正予算案成立や派閥裏金事件を受けた政治資金規正法再改正など政治改革の実現などに向け与党政調会長に「幅広い合意形成を図るよう指示した」と明らかにした。
国会召集を前に、首相は立民、日本維新の会、国民の党首と個別に会談し、協力を呼びかけた。
衆院の首相指名選挙は1回目の投票で過半数(233)の票を得る候補が出ず、衆院では村山富市首相を選出した94年以来の決選投票となった。決選投票では石破氏221票、野田氏160票、無効票84票で、石破氏が首相に選ばれた。参院本会議では1回目で石破氏が指名された。
首相は選出後、公明党の斉藤鉄夫代表と官邸で会談、連立政権の継続を確認した。林芳正官房長官は記者会見で、衆院選で落選した法相と農相にそれぞれ鈴木馨祐元外務副大臣(47)、江藤拓元農相(64)を起用し、斉藤氏の後任の国土交通相には公明の中野洋昌元経済産業政務官(46)を充てると発表した。その他の閣僚は再任した。11日深夜、初閣議を行った。
石破氏は10月1日に首相に就任し、8日後に衆院を解散。衆院選投開票は26日後で、戦後最短となった。衆院選は自民、公明両党が公示前から73減の215議席にとどまる大敗で、与党過半数割れとなった。第1次石破内閣の首相在職日数は42日間だった。