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連続爆破容疑者か 男聴取 警視庁 49年間逃亡、入院中


連続爆破容疑者か 男聴取 警視庁 49年間逃亡、入院中 桐島聡容疑者(警視庁のホームページから)
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 1974~75年に起きた連続企業爆破事件の一つに関与したとして、爆発物取締罰則違反容疑で指名手配されていた過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー桐島聡容疑者(70)とみられる男を、警視庁公安部が発見したことが26日、捜査関係者への取材で分かった。男は神奈川県鎌倉市の病院に入院中で「桐島聡」を自称している。公安部は病院で事情を聴いており、DNA型鑑定などで身元の確認を進めている。

 桐島容疑者は約49年間逃亡。捜査関係者によると、男は末期がんの治療中。病状が深刻で「最期は本名で迎えたい」と話している。

 本人と確認された場合、公安部は逮捕や勾留に耐えられるのかどうか、医師の意見を聞いて慎重に見極めるとみられる。身元の確認には時間がかかる可能性がある。

 桐島容疑者は、75年4月19日に東京・銀座の韓国産業経済研究所入り口ドア付近を手製の時限爆弾で爆破した疑いで75年5月に指名手配されていた。

 警察庁が重要指名手配に指定する容疑者の中で最も逃亡期間が長い。


<用語>連続企業爆破事件
 過激派の東アジア反日武装戦線が1974~75年、海外進出するゼネコンや商社に爆弾を仕掛けた一連の事件。反帝国主義、反植民地主義が動機とされる。大道寺将司元死刑囚(2017年死亡)らのグループ「狼」は8人が死亡した三菱重工爆破事件を起こし、別のグループは三井物産や鹿島建設などを標的にした。

(共同通信)