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「早く原因を明らかに」 豆腐よう生産取りやめも 紅こうじ使用企業が苦境


「早く原因を明らかに」 豆腐よう生産取りやめも 紅こうじ使用企業が苦境 小林製薬の大阪工場(共同通信社撮影)
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 小林製薬(大阪市)の紅こうじ原料を使用した企業が、商品の自主回収や製造停止を余儀なくされるなど苦境に立たされている。原料を使用する173社などから健康被害の報告はなかったが、企業側は紅こうじ自体に対する風評被害対応に苦慮。公表が遅れた小林製薬の姿勢に不満も上がる。

 健康食品の製造、販売を手がける「ZERO PLUS」(福岡市)は、小林製薬の原料を使用した新商品のせんべいを3月に発売したが、直後に一連の問題が発覚。市場に出たほとんどの商品を自主回収した。

 「ZERO PLUS」は機能性表示食品の届け出を出していたが、撤回し、製造中止に。小林製薬は1月に健康被害を把握しており、担当者は「もう少し早く情報共有してくれていれば対応することができた」と、公表の遅さに苦言を呈する。

 伝統食品にも影響が出ている。沖縄の発酵食品「豆腐よう」をつくる「海洋食品」(浦添市)も、小林製薬の原料を使用しており生産を取りやめた。返金を求める電話やメールが計約140件寄せられているという。

 別の紅こうじを使えば最低3~4カ月で再販できるが、消費者からは紅こうじ自体を懸念する声も聞かれ、再販のめどは立っていない。担当者は「風評被害も出てきている。早く原因を明らかにしてほしい」と訴える。

 現時点で健康被害の訴えは、「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」など小林製薬のサプリメントを摂取した人から寄せられている。

(共同通信)