小林製薬の「紅こうじ」のサプリメントで健康被害の恐れが出ている問題で、県内の酒類・食品製造会社は、小林製薬が製造した紅こうじを原料として使った商品の自主回収を始めた。
ただ、自主回収した県内メーカーの商品の原料は、いずれも健康被害が出ているサプリに使用されている原料とは異なるという。関係者は情報の確認を急ぐとともに、風評被害や影響の長期化も懸念している。
那覇市おもろまちのサンエー那覇メインプレイスは、豆腐ようが置かれていた商品棚に「お詫(わ)びと自主回収のお知らせ」と書かれた紙を張った。客から申し出があれば、返金に応じることを告知している。
サンエーでは26日までに、取引業者から自主回収の申し出があった日本酒と豆腐ようの一部商品を撤去した。
県内のメーカーは先週末から対応に追われている。6商品の豆腐ようを自主回収している海洋食品(浦添市)には22日夜、商社からファクスが届き、商品撤去を要請されたという。同社は38年前から豆腐ようを製造するが、自主回収は今回が初めて。26日午後4時時点でホームページに3件ほど、電話に8件ほどの問い合わせがあった。担当者は「6品全体の売り上げでは月100~150万程度になる。これが続くと痛手になる」と話す。
JCC(糸満市)は2商品の豆腐よう、南島酒販(西原町)はもろみ酢をそれぞれ自主回収した。いずれも問題となっている原料とは異なるが、「念のため」(南島酒販の担当者)と説明する。
小売店も対応に悩む。イオン琉球は県内の18店で販売していた問題のサプリは22日中に撤去した。ただ、他の食品については「小林製薬が調査中で、過剰に問題があるとは現段階では言えない」として、小林製薬の判断を見守っている。
(普天間伊織、中村万里子、南彰)