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<大相撲初場所>初日 美ノ海、白星発進 照ノ富士、宇良を押し出し


<大相撲初場所>初日 美ノ海、白星発進 照ノ富士、宇良を押し出し 大相撲初場所初日、遠藤の攻めをこらえる美ノ海(右)=14日、東京・両国国技館
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 大相撲初場所は14日、両国国技館で初日を迎え、1横綱3大関が勢ぞろいして新たな1年のスタートを切った。腰痛などによる休場から3場所ぶりに復帰した横綱照ノ富士は新小結宇良を押し出した。

 先場所優勝で横綱昇進に挑む大関霧島は若元春を引き落とした。大関豊昇龍は熱海富士を寄り切り、大関貴景勝は翠富士を押し出した。大関とりが懸かる関脇琴ノ若は阿炎を押し出し、関脇大栄翔は豪ノ山を突き落としで退けた。再小結高安も白星発進。前頭美ノ海は遠藤を寄り切った。


怪力誇示、豪快勝利 復帰照ノ富士に館内大歓声

宇良(右)を攻める照ノ富士。押し出しで下す=両国国技館

 館内の大歓声に包まれ、豪快な照ノ富士が帰ってきた。宇良の右腕を両手で抱え込み、へし折らんばかりに振り回してから押し出した。腰痛などによる3場所連続休場明けの一人横綱は「本気を出していたら折れていたと思うよ。折れちゃったらかわいそうだしな」と怪力を誇示した。

 昨年名古屋場所3日目以来となる本場所の土俵。支度部屋では同じモンゴル出身の霧島と談笑し、ぴりぴりした雰囲気はうかがえなかった。相撲勘の鈍りが懸念される中、上半身のパワーは健在。八角理事長(元横綱北勝海)は「これがあるから強い」とうなった。

 腰骨の一部が折れたことを明かすなど、自身の弱さをさらけ出す時期もあった。約半年ぶりの白星に「土俵で闘っている姿を見せたいという思いで、必死に生活してきた。いい結果を見せられた」と感慨をにじませた。

 負けが込めば進退を問う声も上がりかねない序盤戦。本場所総見で訪れた横綱審議委員会の山内昌之委員長(東大名誉教授)は「横綱として出場した義務感と責任感を評価したい」と前向きに受け止めた。

 腰だけでなく、古傷を抱える両膝にも慢性的な痛みがあり、傾斜や階段を下りる際は付け人の肩を借りるほどだ。「まだ何も分からない。これからじゃないですか」と照ノ富士。横綱のプライドを懸けた15日間が幕を開けた。

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<手さばき>

 照富士―宇良

 照富は左にずれて立った宇良にもろ差しを許した。相手の右腕をきめるように両手で抱えて振り回す。強烈な押しでよろめかせ、土俵を割らせた。

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照ノ富士は必死

 八角理事長(元横綱北勝海)の話 照ノ富士は必死だった。初日に勝つと全然違う。相手の動きを止めて、自分の動きに持っていった。霧島は落ち着いていた。

(共同通信)