大相撲初場所12日目は25日、両国国技館で行われ、大関昇進を目指す関脇琴ノ若は阿武咲をはたき込み、11勝1敗で単独首位を堅持した。横綱照ノ富士は新入幕大の里を上手投げで退け、3場所連続休場明けで10勝目。大の里は4敗目で優勝争いから脱落した。2大関も2敗をキープ。横綱昇進を狙う霧島は玉鷲をはたき込み、豊昇龍は隆の勝を下手投げで下した。関脇大栄翔は7勝目を挙げた。1敗の琴ノ若を1差で照ノ富士、霧島、豊昇龍が追う。美ノ海は島津海に小手投げで敗れ7敗目を喫した。十両は尊富士が10勝2敗で単独トップ。
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<12日目勝負>
=十両=
欧勝海 よりきり 大翔鵬
紫雷 よりきり 千代栄
尊富士 よりきり 輝
獅司 よりきり 天照鵬
天空海 かけなげ 千代翔
英乃海 うわてだしなげ 欧勝馬
栃武蔵 よりきり 玉正鳳
琴恵光 きめたおし 勇磨
白鷹山 おしだし 狼雅
朝紅龍 よりきり 北の若
錦富士 よりきり 千代丸
東白龍 はたきこみ 志摩海
大奄美 よりきり 白熊
水戸龍 はたきこみ 時疾風
=中入り後=
島津海 こてなげ 美ノ海
王鵬 おしだし 武将山
佐田海 よりきり 宝富士
友風 よりたおし 御嶽海
妙義龍 はたきこみ 明生
平戸海 よりきり 遠藤
剣翔 よりきり 金峰山
翔猿 おしだし 一山本
湘南海 こてなげ 正代
阿炎 よりきり 翠富士
琴勝峰 よりたおし 若元春
錦木 よりきり 熱海富
宇良 ひきおとし 豪ノ山
琴ノ若 はたきこみ 阿武咲
大栄翔 はたきこみ 竜電
豊昇龍 したてなげ 隆の勝
霧島 はたきこみ 玉鷲
照富士 うわてなげ 大の里
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<さじき席>大の里完敗 大きな経験/照ノ富士戦、視線は前へ
新入幕力士が横綱に挑むのは2014年秋場所で鶴竜、白鵬と対戦した逸ノ城以来だった。注目の一番で大の里は照ノ富士に完敗。だが表情は明るく、視線は前を向いたままだった。幕下付け出しデビューから5場所目。日体大で2年連続アマチュア横綱に輝いた23歳の逸材は「1年前は観客席で見ていた。まさか結びの一番で取るなんて」と初々しく語った。
3日連続の上位戦は取組前から緊張していた。「頭が真っ白になって…。これが結びの雰囲気なんだ」。思い切りぶつかった立ち合いは簡単に止められた。横綱の左上手に腰が浮く。強引な寄りは通用せず、投げに土俵下まで転がった。「当たったけど、びくともしなかった」と苦笑いした。
鶴竜を破った逸ノ城以来の新入幕金星は遠かった。八角理事長(元横綱北勝海)が「優勝が懸かった終盤戦を経験できたのは大きい」と話す一方、土俵下の勝負審判として見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「まだ勝負どうこうというレベルではない。駆け引きもまだまだ。雰囲気を味わったというところ」と、あえて厳しく課題を指摘した。
192センチ、183キロの大器にとって、闘いは始まったばかり。「もし対戦する機会がまたあるなら頑張りたい。高みを目指していく」。誰もが期待する将来に向け、かけがえのない糧を手にした。
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<13日目取組>
=十両=
(東) (西) 千代栄―琴恵光
千代丸―伯桜鵬 玉正鳳―勇磨
尊富士―天照鵬 時疾風―北の若
英乃海―大翔鵬 狼雅―欧勝馬
朝紅龍―欧勝海 錦富士―白熊
白鷹山―紫雷 輝―水戸龍
天空海―獅司 大奄美―志摩海
千代翔―栃武蔵
=中入り後=
(東) 初春夏名秋九 (西)
23
宝富 ( )※東白
隆勝0(――――――)0大里
友風2(―――――×)0佐海
玉鷲0(―――――●)1美海
琴勝1(×●●××―)5明生
御嶽0(――――――)0島津
王鵬2(●●×●○○)4平戸
武将0(―――●――)1湘南
竜電2(×××●××)6遠藤
剣翔0(××××××)0正代
豪山0(―――×××)0朝山
一山0(×××――×)0阿炎
翠富6(○×××○○)0妙義
金峰0(――――●●)2熱海
若元3(×××●○○)1阿武
翔猿6(××●○×○)2宇良
錦木5(×●●○●×)8大栄
霧島7(□○●●○×)8豊昇
照富5(××○×××)0琴若
(数字は幕内対戦成績、※は十両力士、×は対戦なし、―は一方または両方が十両以下、□は不戦勝)
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<13日目見どころ>
▽照富士―琴ノ若
初優勝と大関昇進を目指す琴若にとって大一番。過去5戦全敗の照富に挑む。当たり勝って横綱の上体を起こし、右を差して先手を取りたい。がっぷりで胸が合うと分が悪い。引き技を封印し、攻め続けられるか。
照富は後半戦から力強さが増してきた。上手を引いて相手の動きを止めれば優位。強引な投げは隙を与えてしまう。
(共同通信)