左肘手術からの完全復活を目指す中日の大野が順調な調整ぶりを示した。16日、北谷キャンプでシート打撃に初登板し、打者5人に鋭い当たりを許さなかった。プロ14年目のベテランは「あれだけまとまっていればいいと思う。自信になった」と手応え十分の内容に柔和な笑みを浮かべた。
ストライク先行の投球で強打の細川をスライダーで中飛に打ち取り、カリステはツーシームで空振り三振に仕留めた。142キロをマークした直球、変化球ともに制球力は抜群。立浪監督は「スピード以上に球に切れがあった」と満足そうにうなずいた。
キャンプでは苦手とする左打者対策にも取り組む。OBで臨時コーチを務める沢村賞左腕の今中慎二氏に指導を仰ぎ、内角をえぐる感覚を助言された。「味方には投げられない」とこの日は実践しなかったものの「試合になったら投げていきたい」と意欲的だ。
昨季は開幕後の手術で登板わずか1試合に終わり、チームは2年連続最下位に沈んだ。「チームの力になれていない」と自責の念に駆られるエースは今季、浮上のキーマンとしての自覚は十分。「1年間絶対に離脱しない」と力強く話した。
(共同通信)