【マーカム(カナダ)共同】アーティスティックスイミング(AS)のワールドカップ(W杯)は2日、カナダのマーカムで行われ、デュエットのフリールーティン(FR)はパリ五輪本番でペアを組む可能性がある比嘉もえ(井村ク)佐藤友花(ジョイフルアスレティックク)組が253・7730点で優勝した。
比嘉と佐藤は今大会で初めてペアを組み、1日のテクニカルルーティン(TR)は3位だった。
脚技増やしていく
比嘉もえの話 ジャッジにアピールすることを意識した。難易度を上げていくのはもちろん、脚技のレパートリーを増やしていければ。
いいスタート切れた
佐藤友花の話 (新しいペアで)いいスタートが切れた。完遂度で差をつけられて目標を達成できたが、まだまだ芸術性が足りていない。もっと点数を上げられるようにしたい。
難易度より出来栄え重視
今回のW杯が初実戦だったデュエットの比嘉、佐藤組は、技の評価で全体1位の得点を出し、FRを制した。前日のTRで3位にとどまった悔しさを晴らし、16歳の比嘉は「とてもうれしい」と充実感をにじませた。
昨年の世界選手権TRを制した比嘉と安永(井村ク)のペアは同調性に課題があり、デュエットの補欠だった22歳の佐藤を急きょ試すことに。本格的な練習を始めたのは5月上旬のパリ五輪テスト大会後と準備期間が短かったため、難易度より出来栄えを重視した。これが奏功し、佐藤は「(動きを)合わせることを意識した」と強調した。
五輪本番で泳ぐペアは近日中に決める予定。中島ヘッドコーチは「鋭さや正確性はまだまだ甘いところがある」と注文を忘れなかったが、急造ペアにとって二つのメダルを手にしたことは大きな一歩に違いない。
(共同=益吉数正)