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「ついに親族に会える」 残留県系2世 比からきょう来沖


「ついに親族に会える」 残留県系2世 比からきょう来沖 記者会見で感涙するカナシロ・ロサさん(左)とアカヒジ・サムエルさん=13日、フィリピン・マニラ
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 【マニラ共同】「ついに日本を訪れ、父の親族に会える」。戦後フィリピンに残され、訪日を切望してきた日系2世の2人がマニラで13日記者会見し、夢の実現を喜んだ。2人の父は戦前に沖縄からフィリピンに渡った日本人。戦後78年を経て、沖縄でそれぞれの親族とみられる人々が見つかり、14日に那覇空港で横断幕を持って2人を出迎える見通しになった。

 2人はコロン島に住むアカヒジ・サムエルさん(81)と、ミンダナオ島ダバオに住むカナシロ・ロサさん(80)。支援団体「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」(東京)などがクラウドファンディングで訪日資金を集めた。

 2人とも親族とみられる人々との対面を心待ちにしている。アカヒジさんは「『ついに出会え、心が満たされた』と伝えたい」と述べた。カナシロさんは「父のことを知りたい。どんな人で、どんな仕事をしていたのか。」と涙目で訴えた。2人は14~19日に沖縄に滞在。それぞれ親族のものとみられる墓を訪れ、一族と交流する予定だ。

 2人の母はフィリピン人。父系の血統主義を採用する当時の法律により、2人には日本国籍が付与されるはずだが、証拠書類が失われている。

 猪俣典弘代表理事は「身元未判明で無国籍の人たちが残っている」と強調した。今回は2人の写真や情報を公開し、親族とみられる人々が名乗り出て、国籍回復の道が開けてきたという。