【エルサレム共同】イスラエル軍のハガリ報道官は22日夜、地上侵攻するパレスチナ自治区ガザ北部の制圧が「最終段階に近づいている」と表明した。南部の最大都市ハンユニスで地上作戦を続け、南部を中心に他の地域にも作戦を拡大すると明言した。軍は中部にも部隊を進めており、民間人らの犠牲者が一層増える恐れが強い。
ガラント国防相は22日、イスラム組織ハマスのガザ地区トップ、シンワール指導者を見つけ出す決意を改めて強調した。軍は南部の地下にハマス指導者らが潜伏しているとみている。
パレスチナ通信によると、ガザ中部ブレイジと北部ジャバリヤの難民キャンプに23日、イスラエル軍の空爆があり数十人が死亡した。ハンユニスなど南部でも爆撃が続いた。10月に戦闘が始まって以降のガザ側の死者は2万人を超えている。
軍は23日、この1週間でハマスや過激派「イスラム聖戦」の戦闘員計200人以上を尋問のため拘束してイスラエルに連行したと発表。22日には北部ガザ市の南側で発見した地下トンネル網を破壊し、ハマス戦闘員らを多数殺害したと主張した。軍はこの数日、ガザ北部でトンネル網を破壊したと相次いで表明している。
イスラエルのネタニヤフ首相は22日のエルサレム・ポスト紙電子版への寄稿で、ハマス壊滅まで戦闘を続ける考えを強調。ハマスが拘束する人質の奪還やガザからの脅威排除も目標だと繰り返した。ガザ市民が危険に陥らないよう「極力努めている」と主張した。
イスラエルメディアは22日、人質奪還のために戦闘休止の取引に応じることを、世論調査で67%が支持したと報じた。カタールなどが仲介する新たな戦闘休止や人質解放の交渉の進展は伝えられていない。