米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のポーリング上級研究員は9日、在日米大使館で共同通信などの取材に応じ、南シナ海のサンゴ礁が中国やベトナムによる埋め立てなどで破壊されているとして、環境保護と被害状況の詳細な調査が必要だと指摘した。
CSISによると、中国はミスチーフ礁やスービ礁などでのしゅんせつや埋め立てに加え、絶滅の恐れがあるオオシャコガイなどの漁により、少なくとも計約86平方キロのサンゴ礁を破壊した。サンゴの種類が豊富で世界有数の漁場でもある南シナ海の生態系への影響が懸念される。
ポーリング氏は、CSISが昨年12月に公表した、過去10年分の南シナ海の衛星画像などを分析した結果について説明し「今回調べたのは衛星画像で確認できる水深の浅い部分のみ。実際の被害は何倍もの可能性がある」と危機感を表明、詳細な現地調査が必要だと主張した。
ベトナム、マレーシア、フィリピン、台湾も埋め立てによりサンゴ礁を破壊しているが、中国による被害が突出して大きかったという。
(共同通信)