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「仕事に悪い影響」と指導 送り出し機関が実習生に


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 「妊娠したら帰国させられる。仕事に悪い影響が出ないよう、避妊処置をした方がいい」。アンケートに回答した技能実習生のベトナム人女性(37)は、来日前に送り出し機関の女性職員からこう指導を受けたと振り返る。支援者は、労働力確保を優先する受け入れ側の事情が重んじられ、妊娠や出産が制限されている面があるとして「人権上問題だ」と指摘する。

 女性は2019年、技能実習生として日本で働くため、送り出し機関で採用面接を受け、約半年間日本語などを学んだ。約3カ月が過ぎたころ、クラスメート約40人と職員から日本のルールなどについて説明された際、妊娠についても「指導」を受けることになった。
 「日本では良い会社だったら妊娠しても帰国させないが、悪い会社だと帰国させられる」と伝えられた上で、避妊処置を勧められた。女性は夫と子どもがおり、避妊リングを装着して日本へ渡った。40代の実習生女性も来日前、別の送り出し機関で「異性とは交流してはいけない」とも伝えられたという。

(共同通信)