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「フイ、フイ」20年ぶり披露の棒術も 久米島・具志川集落の移転130年祝う 沖縄


「フイ、フイ」20年ぶり披露の棒術も 久米島・具志川集落の移転130年祝う 沖縄 20年ぶり披露された「具志川棒術」=3日、具志川農村公園
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 【久米島】久米島町字具志川(宮里敏雄区長)の「字具志川移転130周年記念行事」が3日、具志川農村公園で行われた。今年は字具志川が現在の地に移転し、集落を形成してから130周年の節目となっている。これまでも節目の年に合わせ、五穀豊穣(ほうじょう)や地域の発展を願い移転記念祝賀行事が開催されてきた。

 記念行事の中では、字具志川に伝わる三大民俗芸能「木綿花節(むみんばなぶし)」「イヌヒナ節」「具志川の棒術」が披露された。

 中でも20年ぶりの披露となった棒術は、久米島島内では具志川のみで引き継がれている。ドラやホラ貝、太鼓の音に合わせ「フイ、フイ」の掛け声とともに、棒を持った白装束に青たすき掛けの脚半姿の演者たちが勇ましく入場した。左渦巻きの大巻に入った後、渦を巻ききったところで渦を解き、両陣営に分かれた小巻きに入り、棒術のメインとなる1対1、2対2の対戦演技を披露した。

 力強い華麗な棒さばきと攻めと守りの激しい打ち合いに、会場から大きな拍手と声援が送られた。この後、棒術の締めくくりとして段ヌ棒と呼ばれる、棒術の基本の型の演技を見せた後、再び大巻に入り退場した。

 今回は、小中学生や県外からの離島留学生(久米島高校)も参加し、その頑張りに温かい拍手が寄せられた。

 字具志川の宮里区長は「(棒術は)地域の皆さんや小中学生、離島留学生などにも協力を頂きながら、この日を迎えることができた。字移転130周年を、たくさんの方々に祝福していただき心から感謝しています」と語った。

 (江口翔太通信員)