にゃんとかせねば…外猫 過酷な環境で生きる命を救え! 愛猫家がシェルター運営 沖縄・宜野座


にゃんとかせねば…外猫 過酷な環境で生きる命を救え! 愛猫家がシェルター運営 沖縄・宜野座 「チョークアート」の作品の前で愛猫のサンちゃんと一緒に写る泉本理惠子さん=16日、宜野座村松田区の「わらばぁはうす」
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 【宜野座】飼い主のいない野猫、いわゆる「外猫(そとねこ)」を取り巻く環境が深刻だ。交通事故、病気、寄生虫、ハブ咬傷(こうしょう)、虐待、さらには近年の気候変動も外猫を苦しめる。宜野座村の泉本理惠子さんは、愛猫家3人で保護猫ボランティアチーム「ぎのざのねこさん」を運営し、外猫のために「なんとかせねば」と奮闘する。

 「ぎのざのねこさん」は、命に関わる危険性の高い猫を保護し、メンバーの一人が作った簡易的な「保護猫シェルター」で宜野座村内外の猫を保護している。あくまでも「一時的」な保護が前提だが、猫を譲り受ける新たな飼い主は圧倒的に足りない。

 猫は繁殖力が強く、1匹から年間50匹まで増えることもあるという。そのため、外猫に避妊去勢手術を施している。手術済みの印としてサクラの花びらの形に耳先がカットされた「さくらねこ」を地域で世話をする活動にも取り組む。時には、動物病院の受診で、高額な治療費に頭を悩ますこともある。

泉本理惠子さんが製作し、募金箱に500円以上寄付するともらえるオリジナルチョークアートキーホルダー

 エサ代や運営費は「ぎのざのねこさん」のメンバーの個人出資やアルミ缶のリサイクルなどで賄われ、泉本さんが営む基礎学習塾「わらばぁはうす」や、泉本さんの「チョークアート」の収益も活動費に充てる。泉本さんが作ったキーホルダーを寄付金のお礼として渡す形の募金箱をいちご園などに設置して寄付金を集めている。

 「行政の支援で、外猫が安全に暮らせる建物があれば、多くの猫たちの命を救えて、一番の理想」と、官民のチーム体制づくりを切実に望んでいる。「猫まっしぐら」に活動に邁進(まいしん)している。

 (池辺賢児通信員)