飼い主が猫と幸せに暮らすために、どのような心構えや居住環境、ケアが必要か。犬猫の遺棄防止や終生飼養などの普及を進める県の「一生うちの子プロジェクト」の協力病院、おもろ動物クリニック院長の金城秀敏さん(獣医師)に聞いた。
―完全室内飼育を薦める理由は何か。
「屋外は交通事故に遭遇しやすく、野良猫とのけんかによるけが、伝染病の罹患(りかん)など危険が多い。まずは安全を守るため室内飼いを薦めたい」
―猫を飼う前に飼い主に考えてほしいことは何か。
「若い猫はいたずら好きで走り回ったり、壁やソファを爪でひっかいたりする。それを許容できる居住環境かどうか。飼育には避妊去勢手術、食事代、ワクチン接種費、病気になれば治療費など費用がかかる。住環境と金銭的な面から飼育ができるのか考えてほしい。避妊去勢手術は重要。仮に子猫が生まれても遺棄してはいけない。最近は室内飼いなら15歳ぐらいまで生きる。最後までみとる覚悟が必要になる」
―猫の健康を守るために、飼い主に留意してほしい点は。
「ふんの形や尿の色の異変、脱毛などが病気のサイン。日頃から注視したり、スキンシップをしてチェックしてほしい。最近はヘアゴムや猫用おもちゃを胃腸に詰まらせて受診する猫もいる。食欲のない日が続くなら誤飲も疑ってほしい」
―金城先生も猫を飼っていると聞いた。
「飼い始めて世話が大変だと思うときがあるかもしれない。でも、猫の姿に癒やされる。ハッピーなことの方が大きいですね」
(聞き手・高江洲洋子)